2017年10月「IT重説」が本格運用へ!不動産業界の将来は?

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1971年の宅地建物取引業法改正以降、不動産会社が賃貸借契約を仲介した際には、宅地建物取引士が借受け予定者に対し、物件の「重要事項説明」(略して「重説」)を「対面」にて行うことが法令によって義務付けられていましたが、宅地建物取引業法が一部改正され、2017年10月1日から、この重要事項説明をインターネットを通じたオンラインで行うことができるようになりました。(※注1)

これにより、お部屋を借りようとするお客様が不動産会社の店舗へ来店せずに済むようになるため、お客様の都合のよい空き時間を使って重説ができること、自宅等お客様がリラックスできる環境で説明ができること、不動産会社店舗への交通費や移動時間などが節約できること、悪天候などでも交通遅延を心配しなくてもよいこと、録画機能によってエビデンスを残せること、などのことから、今回の改正は不動産会社と借主の双方にメリットが得られるものとなりました。

このインターネットを利用したオンラインでの重要事項説明は、業界内では「IT重説」と呼ばれており、不動産業界を所轄する官庁である国土交通省において、2015年8月~2017年1月末までの期間でIT重説導入に向けての社会実験が行われましたが、不動産会社や借主へのアンケート結果でも、概ね好評価が得られたとの結果が発表されています。

 

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こちらは多摩ニュータウンの発展とともに歩んで45年、地域に根差した不動産会社として知られる株式会社和光さんの多摩センター営業所。

和光さんでも他社との差別化を図り、より多くのお客様にご満足をいただけるよう、この地域で一番にIT重説を取り入れるべく現在準備中です。今回は、和光さんのIT重説導入に向けての取り組みをご紹介したいと思います。

 

まずは、和光さんで賃貸部門を統括する柏木取締役にIT重説導入に向けての意気込みを伺いました。

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—業界内ではまだ様子見の状況だと思いますが、和光さんではなぜ今回IT重説を導入しようと思われたのでしょうか?                                       柏木取締役:IT重説が解禁されるからといってすべての不動産会社がそれをやらなければいけない、というわけではありませんが、IT重説を「できる」不動産会社と、「できない」不動産会社では、今後自ずと借り手、貸し手双方の顧客からの評価に差が生まれるであろうと思います。我々のような小規模な不動産会社ほど、こういったことに積極的に取り組んでいかなければならない、という考えのもと今回の導入に踏み切りました。

—IT重説の解禁で今後の不動産業界はどうなりますか?                     柏木取締役:今、通信やエレクトロニクスの分野ではiotやAIなどが次世代の成長産業ということで活況を帯びていますが、我々の業界でも業務のIT化は避けることはできないのが時代の流れであり、10年後、20年後を考えれば、AI(人工知能)、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などの技術進歩や汎用化により、現在とは大きく異なるシステムが主流になることが予想されます。そう遠くない将来にはわざわざ不動産屋に足を運ばなくても、自宅にいながらにして物件の内見から契約までがひととおりがインターネット上で完結してしまう、といった仕組みが構築されるかもしれません。これからの時代はお部屋を探そうとする人にとっては、ますます便利な世の中へとなっていくのでしょうね。

—少子化や物件の老朽化により、これからの賃貸市場は縮小していくのでしょうか?        柏木取締役:今後はいち早く新しいものを導入して、常に新しい付加価値を提供していける会社だけが生き残っていく時代だと思います。確かに賃貸市場の未来は厳しいものがありますが、今回のような業界のIT化によって新たなニーズやサービスが生み出されることが予想されるので、私は決して暗い未来だけが待っているわけではないと思います。ただ、我々もまた時代の流れに取り残されないよう、常にアンテナを高く張っていかなければならないでしょうね。

—現在はまだ試験段階ということですが、本格的運用開始はいつ頃になりますか?         柏木取締役:11月中に社内での検証作業を終え、2017年12月1日からスタートしたいと考えています。万全の準備で臨みたいと思いますが、我々は国土交通省が実施したIT重説の社会実験には参加していなかったので、実際にIT重説を行った際のトラブルや課題点などのデータの蓄積がありません。しばらくの間はそういったものを解決しながら進めていくことになりますが、説明を受けていただくお客様にご迷惑をかけないこと、宅地建物取引業法や個人情報保護法などの法令を遵守すること、の2点だけは心掛けてやっていきたいと思います。               

—ありがとうございました。

 

それでは社内の取り組みの様子などもご紹介したいと思います。

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インターネット上のコミュニケーションツールにはSkypeをはじめ様々なシステムがありますが、和光さんがIT重説に使用するツールはNTTのグループ企業であるNTTテクノクロスが開発したWEB会議システム「MeetingPlaza」 こちらは他のシステムに比べ、高音質、高画質と言われており、過酷な電波状況の中でも比較的安定した通信を行うことが可能です。中でも通信事業で長年積み重ねた通話品質においての様々なノウハウを持つNTTグループが開発したシステムのため、特に音質にすぐれていると言われています。

 

%e3%81%8a%e9%9d%a22※写真は一部加工してあります

現在IT重説のテスト中。パソコン同士で安定した通信環境で行う場合は画像や音声の途切れもなく、問題は無いとのこと。クリアな画像でたしかにこれなら問題なさそうですね。

 

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                        ※写真は一部加工してあります

MeetingPlazaはスマートフォンやタブレットとも映像通信を行うことが可能です。

こちらがスマートフォンと通信しているときの状況とスマートフォン側のスクリーンショット。画面下がホスト側、下がゲスト側です。電波状況にもよりますが、スマートフォンでも通信状況は概ね良好のようです。テストを見守るうしろの柏木取締役の目も真剣です。

 

%e3%81%8a%e9%9d%a21※写真は一部加工してあります

MeetingPlazaでは、IT重説だけではなくオンラインでの接客や、内見も行うことが可能です。こちらはIT接客のテスト中のスクリーンショット。図面などの資料データをWEB上でお客様と共有しながら説明をすることが可能です。物件探しに上京できない遠隔地のお客様にとってはうれしい機能ですね。電話と違って営業マンの顔を見ながら商談ができるので細かいニュアンスまで伝わります。音声だけではなく、チャットを使ったやりとりができるのも嬉しいところです。

 

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こちらはスマートフォンを使ってのIT内見のテスト。動画でお見せできないのが残念ですが、こんな感じで室内状況を現地から中継することが可能です。お店の営業マン、現地のカメラマン、お部屋を探しているお客様の三者をインターネット上でつないで商談することもできるそうです。

和光さんでは、今後オンラインでもお部屋探しのお客様に物件のご紹介や内見ができるIT接客やIT内見に対応ができる体制を整えていくとのことでした。これを見ていると、柏木取締役のお話の通り、近い将来不動産屋さんの店舗に来店することなく物件の紹介から内見、契約までが済んでしまう世の中になるかもしれない、と思えてきます。

 

 

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ちなみに和光さんでは最近、地元を走る京王バスに広告を出し始めたとのこと。IT重説のような先進的な取り組みの他に、地元密着企業として、こうした地道なアナログな広告宣伝活動にも力を入れているのですね。

 

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こちらはおまけ。和光さんの多摩センター営業所内にあるキッズスペースです。最近、キッズスペースのリニューアルが行われ、小さなお子様連れの方でも安心してお部屋探しができるようになりました。

奥のグリーンの壁は自由にお絵かきができるブラックボードクロスですね!こんなところにも和光さんの細かいこだわりが感じられますね。

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キッズスペースにはこんな作品が作れるおもしろ積み木も置いてありました。お部屋探し中のファミリーはぜひお立ち寄りくださいね♪

 

いかがでしたでしょうか。

これからの世の中、和光さんのようにIT重説を含めた、消費者の新しいニーズに応えられるサービスを提供できる不動産会社が伸びていく時代なのかもしれません。お部屋を借りたい人も貸したい人も、今後はそういった視点でお付き合いをする不動産屋さんを選んでみるのもいいのかもしれませんね。

 

※1 今回の改正で解禁されるのは「賃貸取引」の重要事項説明に限られ、「売買取引」は対象外となります。