多摩ニュータウンには3万年前から人が暮らしていた!東京都埋蔵文化財調査センターにて古代史を訪ねる

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多摩ニュータウンといえば八王子市、町田市、多摩市、稲城市にまたがる多摩丘陵に開発された日本最大規模のニュータウンですよね。多摩ニュータウンの建設計画が浮上したのは1963(昭和38)年のこと。その目的は、過密化する東京都の住宅事情の緩和でした。その後、東西約15キロメートル、南北2~4キロメートル、広さ約3000ヘクタールの広大な敷地に人口30万人、戸数11万戸という壮大なスケールの計画がなされ、いざ実行-となったときに思わぬ問題が生じました。計画に先立って民間の研究団体がこの地を調査したところ、なんと開発予定地域内から123箇所もの遺跡が発見されたのです。

1965(昭和40)年9月、東京都教育委員会は遺跡の発掘調査のために多摩ニュータウン遺跡調査会を発足。調査が進むとさらに遺跡の数は増え、最終的に964箇所の遺跡が確認されました。発掘調査はその後40年間続けられ、2006(平成18)年にようやく完了。発掘総面積は約300ヘクタールで実に多摩ニュータウンの開発面積の1割にも及びました。確認された遺跡は縄文前期から中期の典型的な集落遺跡で、竪穴式住居や縄文期の敷石が見られたNo.57遺跡や、土器製作用粘土採掘のNo.248遺跡、土偶が100点以上発見されたNo.9遺跡などはとくに大きな注目を集めました。新興住宅地として計画された多摩ニュータウンですが、その台地では既に古代の人々が生活を営んでいたとは何か不思議な感じがしますよね。

これらの遺跡から発掘された遺物は、現在、多摩センター駅の近くにある東京都立埋蔵文化財調査センターでひっそりと保存、展示されています。古代の多摩丘陵ではどのような人々がどのような生活を送っていたのかを知ることができる貴重な研究施設なので、多摩センターまでお越しの際はぜひ当センターにて歴史の一端に触れてみてはいかがでしょうか。

今回、は実際に多摩センターの埋蔵文化財調査センターを訪ねてその概要を簡単にレポートしたいと思います。

 

埋蔵文化財調査センターへは、多摩センターの駅から歩行者専用のペデストリアンデッキを通っていくことができます。

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駅前にあるマグレブビルとマグレブEASTの間の細い通路を入ります。

 

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階段を昇ったら直進します。埋蔵文化財調査センターは通路の一番奥にあります。これが建物の入口。入館料は嬉しい無料。さっそく入ってみましょう♪

 

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入口を入ると、いきなり縄文人がアグレッシブなお出迎え。受付カウンターには現代人の係の方もいて、館内の見学の仕方を丁寧に説明もらえます。

 

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こちらが埋蔵文化財調査センターの全体図。屋内の展示施設と、屋外の遺跡庭園「縄文の村」で構成されています。

 

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館内の案内図。常設展示、特設展示、体験、図書などの各コーナーで構成されています。

 

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こちらが展示コーナー。多摩ニュータウンで発掘された旧石器時代から江戸時代までの遺物が展示されています。

 

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こちらが約3万年前、縄文時代より前の旧石器時代の遺物。狩猟、採集がメインの時代。この石器で捕えたナウマンゾウなどの獲物を解体していたのでしょうか。

 

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こちらが縄文時代前期~後期の遺物。昔、歴史の教科書で見た縄文文様の土器が並んでいますが…よく見ると展示物が入っているケースにはガラスがはまっていません。そう、こちらでは縄文時代の土器については来館者が直接手に触れることができるのです。

 

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縄文の次の時代、弥生時代の遺物です。弥生土器は縄文土器に比べると非常に土厚が薄くなります。壊れやすいためかここからは直接手を触れることができなくなります。この時代から本格的な稲作が始まり、大陸からの技術の伝来などにより収穫物を保管しておくための土器の製造技術も高まっていきます。

 

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弥生時代の次の時代、古墳時代です。

 

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奈良時代。

 

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平安時代~鎌倉時代。

 

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室町時代~安土桃山時代。

 

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江戸時代。

 

どの遺物も細かいところにそれぞれの時代背景を反映していて、興味深いものがありました。ぜひ来館の上、お確かめくださいね。展示コーナーではその他にも様々な時代の面白い遺物が展示されています。

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こちらは江戸時代の子どものおもちゃ。おままごとセットもありました。かわいいですね。

 

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同じく江戸時代の女性のたしなみグッズ。櫛や簪ですね。

 

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こちらは男性のたしなみグッズ。この時代の男性(武士)は主に刀の鍔や鞘の装飾で「粋」を競い合ったようですね。

 

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縄文時代の村の模型もありました。

 

展示品コーナーの見学が終わったら、体験コーナーや図書コーナーで楽しみましょう。

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こちらが体験コーナー

 

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古代の火おこしツールですね。やってみると普段何気なく使っているマッチやライターの有難みがわかります。。

 

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土器パズル。砂時計をひっくり返してスタート。やってみるとなかなかハマります。

 

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Σ( ̄□ ̄;)ええっ?! 土器のクレーンキャッチャー??・・・と、思いきや。よく見ると但し書きが。

 

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うむむ…埋蔵文化財調査センターさん、深い!深すぎです!

 

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体験コーナーから後ろを振り返るとこんな特設コーナーが。なんか無印良品ぽいけど…まさか縄文ファッション販売してんすか?!

 

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いや、よく見ると…

 

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縄文良品、価格…プライスレス。そうですか。埋蔵文化財調査センターさん、こういうあそび心、大好きです♪(‘▽^人)

 

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縄文良品コーナーの隣には図書コーナーがありました。多摩の遺跡に関する本がびっしり!歴史好きにはたまりませんね。

 

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館内をひととおり見てまわったら次は屋外の遺跡庭園「縄文の村」へ足を運びましょう。建物を出て、すぐ目の前にあります。こちらが入口。

 

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案内図がありました。「縄文の村」は、1987(昭和62)年に多摩ニュータウンのNo.57遺跡を保存する目的で整備されました。No.57遺跡は縄文時代の集落跡で、前期の住居跡2軒、中期の住居跡5軒のほか、落とし穴などが発掘され、南側の半分については現状のまま盛り土をして保存されています。また、庭園内の森には5000年前の縄文の村に生えていた樹木や野草を50種類以上植え、当時の植生を忠実に再現しているとのこと。

 

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おお~♪ありました!これが竪穴式住居ですね。

 

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こちらが入口。早速入ってみましょう。

 

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中は真っ暗。当時の状況を再現するために照明設備等は設置されていないとのこと。入口に置いてある懐中電灯を使いましょう。

 

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屋根はこんな感じ。あれ?煤で真っ黒…ということは誰か生活しているのか??…という疑問は後で解決します。

 

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これは別の住居。こちらは広く作られており、5~6人は十分に生活できそうです。涼しそうなのでベッドとかあれば夏場は結構快適かも…

 

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ふと別の住居に目をやると…( ⊃д⊂)ゴシゴシ …(*゜д゜)エッ?!

なんと住居内から煙が出ています!!まさか・・・誰か住んでんの?!

 

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と、思いきやこちらの住居内では屋根の防虫、防腐を兼ねて日替わりで係員さんいよる火焚きが行われており、運がよければ見学ができるとのこと。運がよかったですね~♪

 

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全ての見学が終わったら帰る前に受付でアンケートに協力しましょう。協力特典としてこんなかわいい(?)オリジナルクリアファイルが貰えちゃいますよ♪

 

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いかがでしたでしょうか。

はるか昔、竪穴式住居が立ち並んだ多摩の丘。今では現代人の手によってこんなに様変わりしました。現代文明の恩恵を当たり前のように享受して生活をしていると、それが先人たちの苦心の末に生みだされたものであることをつい忘れがちになります。「温故知新」と言いますが、たまには昔の事を調べて、先人達の知恵や文化から新しい知見を得、それを未来へ生かすのも良いかもしれませんね。

貴重な文化研究施設なのにどこかあそび心がある埋蔵文化財調査センター。お休みの日にはぜひ一度訪れてみてくださいね。

 

<東京都埋蔵文化財調査センター>

〒206-0033

東京都多摩市落合1-14-2

TEL 042-373-5296

開館時間:9:30~17:00 ※「縄文の村」は11月~3月は16:30閉園

休館日:年末年始(12月29日~1月3日)※その他展示替え期間中は閉館。

アクセス:多摩センター駅より徒歩5分