「第27回映画祭 TAMA CINEMA FORUM」今年も多摩市で開催!〔後編〕

「TAMA CINEMA FORUM」(通称「多摩映画祭」)は今年で27回目を迎える歴史のある映画祭です。これからの日本映画界を背負って立つ映像作家と俳優を表彰する「TAMA映画賞」や、若手映像作家の登竜門になっているコンペティション「TAMA NEW WAVE」など、豊富なプログラムを楽しめます。前編ではそんな多摩映画祭の多彩な魅力についてお伝えしました。後編では各映画賞がどのように決められるのか、知られざる作品選考の裏側に迫っていきます。

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映画を愛する実行委員会のメンバーには高校一年生も

—多摩映画祭を運営する実行委員会のメンバーはどれくらいいらっしゃるのですか?
竹内さん:通常のメンバーは60人ぐらいで、映画祭以外の期間にも1年間を通して活動しています。2月から8月は月に一度のペースで、ゲストを招いての上映会を開催。映画祭期間中には「シネマ隊」というメンバーが20人くらい加わります。その人数で各プログラムの企画制作、パンフレット作り、ゲストブッキング、宣伝やPR、当日の会場運営など全て行っているのでなかなか大変です。

—それだけのことをボランティアでやっているなんてすごいですね。その中で一番大変なことは何ですか?
竹内さん:実行委員会は「映画賞部会」や「PR部会」などいくつかの部会に分かれているのですが、その中に「資金部会」があります。ボランティアの市民団体なので運営資金を助成金でまかなっているのですが、それでは全く足りないので「名刺広告」という名刺サイズの広告を色々なお店や企業の皆さんに出していただけないかとお願いしています。毎年、多摩市内の商店街をまわってお願いしているのですが、その時間帯が昼間なので会社員や学生のメンバーにとっては大変だと思います。映画祭の実行委員と聞くと、授賞式で女優さんに会えるなど華やかなイメージを持っている方が多いのですが、こういう地味な仕事もたくさんあるんですよ(笑)。

—普段の仕事と両立させながら皆さんボランティアで活動されているということは、それだけ映画を愛しているということでしょうか?
竹内さん::そうですね、やはりみんな映画が好きだから集まっていると思います。メンバーの年代が幅広くて、最年少は高校1年生、最年長は80歳以上までいます。高校3年生の女の子もいるのですが、映画のことになれば中高年のメンバーと激論を交わしたりもしています。色々な職業の人が『映画が好き』という純粋な気持ちで集まっているので、なかなか面白いですよ。

「日本一気の早い映画祭」の作品選考は日本一揉める!?

—各映画賞をどのように決めているかについてお聞きしたいのですが。
竹内さん::多摩映画祭には大きく分けると「TAMA映画賞」と「TAMA NEW WAVE」という2つの作品選考があり、それぞれ別のメンバーが選考にあたっています。「TAMA映画賞」の選考基準になるのは今年の9月までに劇場で公開された日本映画です。アカデミー賞をはじめとした大きな映画賞が年を越してから発表されるので、一般的に日本映画の大作は10月や11月に公開されることが多くなっています。多摩映画祭の場合、そういった作品が選考対象にはならず、他の映画賞に先駆けて発表されるので「日本一気の早い映画祭」と言われることがあります(笑)。

—年間を通して多くの映画が公開されているので、候補を絞るだけでもかなり大変そうなのですが。
竹内さん::「TAMA映画賞部会」では、まずその年に公開された日本映画のリストを作ります。それをもとに各メンバーが劇場へ作品を観に行くのですが、本数が多いのでレディースデイやメンズデイ、レイトショーなどを利用して観に行っているようです。又、上映期間が短かったり、選考決定までに日が短い場合などは、配給会社さんにお願いして鑑賞の機会を作っていただいたりしています。そんな風にして選んだ候補作品を各々持ち寄るのですが、そこからがかなり大変です(笑)。受賞作品をどれにするかでかなり揉めるのですが、配給会社が公開を認めてくれない場合や、上映料金が折り合わない場合もあるので、毎年4月から9月くらいまで検討に検討を重ねてようやく決まります。(TAMA映画賞の各賞発表は公式HPで既に掲載)

—竹内さんも映画賞の選考に携わっているのですか?
竹内さん::私は「TAMA NEW WAVE」の選考に携わっています。今年は125本の応募があったので、6月から8月末までの期間でそれらの作品をすべて見ました。朝4時に起きて仕事に行く前に1時間、帰ってきて2時間など、ノートに細かく内容をメモしながら鑑賞させていただきました。鑑賞の時間はかなりかかりますが、毎回新鮮な驚きを感じられるので楽しいです。

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プログラム内は入れ替えなしのリーズナブルなチケットを販売

—今年の多摩映画祭も楽しいプログラムが目白押しで盛り上がりそうですね!
竹内さん:そうですね、皆さんには気軽に会場に来て映画を楽しんでもらいたいです。今は3Dや4Dなどもあって、入場料がどんどん高くなっているじゃないですか。それはそれでいいところもあると思いますが、価格が抑えめでも見れるような環境を提供していきたいです。

—多摩映画祭のチケットはかなりリーズナブルですよね?
竹内さん::昔は渋谷などに小さな映画館がいっぱいあって、150円の入場料を払えば一日中鑑賞することができました。そんな風に現代の映画館を運営していくのはなかなか厳しいと思いますが、せめてこの映画祭ではリーズナブルな料金で見てもらえるように取り組んでいきたいと考えています。さすがに150円ではないですが、多摩映画祭のチケットも昔と同じ通しの券なので、同じプログラム内であれば入れ替えなしで見ることができるようになっています。

—竹内さんの考える多摩映画祭の魅力はどんなところにありますか?
竹内さん::多摩映画祭に限らず、やっぱり映画は劇場で観ないと駄目ですよ。DVDは気軽に借りられますが、部屋で見ていると余計なものが色々と目に入るじゃないですか?見ている途中で席を外したりもしますし。その点、劇場で画面だけに集中して観るというのは、映画の面白さを感じる上で絶対に欠かせないことだと思います。そういう映画本来の楽しみ方をより多くの人にもう一度味わって欲しいですね。「だったらもっと安くして」と言われたりすると厳しいですけど(笑)。

多摩映画祭の中では例年、別々の作品に携わった監督と俳優が親しく交流する場面が数多く見られます。そんなやり取りの中で次回作の構想が生まれることもあるそうです。次代を切り拓く新進気鋭の映像作家を次々と輩出しながら、日本映画界の活性化に寄与している多摩映画祭から今年も目が離せません。公式HPでは登壇予定の豪華ゲストが公開されているので、そちらも確認して映画祭の会場へ是非足を運んでみてくださいね。

 

第27回映画祭 TAMA CINEMA FORUM
〔開催日時〕
2017年11月18日(土)〜11月26日(日)

〔開催場所〕
・パルテノン多摩 大ホール/小ホール
〒206-0033 東京都多摩市落合2-35
小田急多摩線/京王相模原線/多摩都市モノレール「多摩センター駅」から徒歩5分
・ベルブホール
〒206-0025 東京都多摩市永山1-5
小田急多摩線/京王相模原線「永山駅」から徒歩2分(ベルブ永山5階)
・ヴィータホール
〒206-0011 東京都多摩市関戸4-72
京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」(西口)から徒歩2分(ヴィータ・コミューネ8階)

〔公式HP〕
http://www.tamaeiga.org/2017/